このサイトは私の気が赴くまま、あれやこれやを適当にUPしてる記録置場でございます
なぜ、画家のモールスがこんなものを生み出したのか?
1825年、モールスがワシントンD.C.で肖像画を描いていた時にコネチカット州にいた妻が急死したという知らせが届いたんだけど、手紙が届いた時には、妻の葬儀まで終わっていたという。
当時の通信手段は人や馬が運ぶ手紙なのでまぁ時間は掛かりますね
この一件で迅速な通信手段の開発に邁進したというから、意欲と革新の人だったのでしょうね
それで数字の組み合わせを色んな言葉(単語)などに対応する辞書を作って、数字の羅列を送り、受け取った先ではこの対応表(辞書)を見ながら解読する手法で情報交換する仕組みを作ったという...
まぁ暗号みたいな感じですね
それでこの方式だと
・辞書の限界: 新しい単語や人名を送るには、全員が同じ辞書を常にアップデートしなければならない
・検索コスト: 通信が終わるたびに辞書を引くのは、レイテンシ(遅延)が大きすぎる
という問題があることを見抜いたエンジニア「アルフレッド・ヴェイル」という人が仕様の改良を実施します
・数字を介さず、アルファベットそのものをオン・オフの組み合わせで表現するという形に変更
・アルファベットに直接「短点(・)」と「長点(-)」を割り当てる現在の形へと洗練
・統計的な最適化: ヴェイルは、活版印刷所で使われる活字の頻度を調べ、「E」や「T」といった頻出文字に短いコードへの割り当て、 これは現代のハフマン符号化(データ圧縮)に通ずる、極めて合理的設計
現代版「モールス信号(欧文)」の誕生です
これは...どっちかと言えば「アルフレッド信号(欧文)」の誕生なんじゃ!?
・1837年:モールスによるプロトタイプ(大学でのデモ公開)
モールスが考案したのは数字を刻印した金属プレートをレールに並べてそれを読み込ませて電気信号にしてたようです
・1844年:ヴェイルによる実験(ワシントンとボルチモア間で世界初の実用的な長距離通信
モールスの金属プレート方式に替えて現在の電鍵に近い方式で革新的なスピードアップを実現
電鍵の生みの親はヴェイルさんだったのですね
・有線方式
1800年代中頃なんて無線はまだ影も形も無いので有線でした
モールス信号なんて無線の代名詞みたいな感じですが最初は有線だったのですね
それで有線とかじゃ設備投資に金掛かるからほとんど使われてなかったかと思いきや爆発的に普及したそうです
1840年代から1900年頃にかけて、文字通り地球中に張り巡らされた「ビクトリア朝時代のインターネット」という趣だったようですね
ビジネス(株価の動きから商談)、世界中のニュースの即応性、鉄道の安全運行にも利用されたようです
こうした有線技術の頂点は、1866年に実装されたた「大西洋横断海底ケーブル」超ビッグプロジェクトでアメリカ・イギリスの間、数千キロの深海に電線を敷設したというから凄いですね
それだけのニーズがあったという事です
・無線方式
火花送信機の登場
物凄いパワーワードというか異常にインパクトのある名称(送信機)ですね
・1895年の無線実験の成功
イタリアのグリエルモ・マルコーニという青年が自宅の屋根裏で火花を散らして電波を飛ばすことに成功したようです
1901年の快挙
マルコーニは火玉送信機を駆使して大西洋横断通信に成功します
タイタニック号にも最新鋭の歩玉送信機が搭載されていたようです
火玉送信機の機構ですが、巨大な電流を掛けて2極間でスパークさせます、スパークを拾ったほうにはインパルス応答とかいう急峻な電流のパルスが流れると、送信アンテナに繋がっている同調回路の周波数の電波が飛び出すと...ただ一点を切り取った周波数ではなくて割と広めになるらしい
なのでけっこう他の設備からすると妨害電波になるらしい
真空管革命
「増幅ができるデバイス」が登場したことで、無線通信は「物理的な衝撃(火花)」から「精密な計算(電子制御)」へと進化
・1906年: リー・ド・フォレが「三極管(オーディオン)」を発明。これが「増幅」という魔法の杖の誕生
・1912年頃: ラングミュアやアームストロングが、真空管を使った**「発振回路」**を発明。これで「火花を散らさずに電波を作る」ことが可能に
・1920年代: 第一次世界大戦の技術革新を経て、商用放送や軍事・船舶無線が急速に真空管式へとリプレース
というタイムラインのようです
真空管までくると、今使ってるのと同じような感じですね
業務(商用・軍事)の世界では、モールス信号は「主役」の座を完全に降りています。
1999年に国際的な通信プロトコルが劇的に変更されたことが、決定的なターニングポイントとなりました。エンジニア的な視点で、その「リプレース」の経緯と現在の立ち位置をデバッグしてみましょう。
1. 1999年の「システム移行(GMDSSの導入)」 かつて船舶通信の要だったモールス信号は、1999年2月に**GMDSS(全世界海上安全通信システム)**という新しいプロトコルに完全に置き換わりました。
旧プロトコル: 無線通信士が24時間、耳でモールス信号(SOSなど)を監視する。
新プロトコル (GMDSS): 衛星通信やデジタル選択呼出し(DSC)を使い、ボタン一つで自動的にSOSが発信される。
廃止の理由: 誰でも(高度な訓練を受けた通信士がいなくても)確実に救助を呼べるようにするため、そしてデータ伝送速度が圧倒的に速い「デジタル化」が必要だったためです。
2. 現在も「業務」で使われているケース
完全に消滅したわけではなく、ごく一部の特殊な領域や「バックアップ」として生き残っています。
自衛隊・軍事: 日本の自衛隊や米軍などの一部では、現在もモールス信号の訓練が行われています。理由は**「究極のサイバーセキュリティ」**です。最新の衛星通信が妨害(ジャミング)されたり、電子機器がEMP(電磁パルス)で破壊されたりしても、単純な「電線の断続」や「手打ちの電波」だけは生き残るからです。
航空標識(VOR/DME): 飛行機が位置を知るための地上施設からは、現在も施設名の識別コードがモールス信号で絶えず流されています。パイロットはそれを聞いて「正しい施設を受信しているか」を確認します。
3. モールス信号の「聖域」:アマチュア無線
現在、モールス信号が最も熱く「現役」として使われているのは、アマチュア無線(CW)の世界です。
実利的なメリット: モールス信号は「最も少ない電力で、最も遠くまで届く」という圧倒的なパフォーマンスを発揮します。
文化としての継承: 業務での「効率」という縛りがなくなったからこそ、ヴェイルが考案した「手打ちのリズム」を楽しむ文化が、世界中のアマチュア無線家の間で大切に守られています。
・電力効率の高さ
情報を送るために使う「電波の幅(帯域幅)」が狭ければ狭いほど、電力の効率は高くなる
音声(SSBなど)の場合、約3,000Hz(3kHz)の幅が必要に対してモールス(CW)ならわずか100Hz〜500Hz程度で済むので、同じ5Wの電力で送信する場合、CWは音声に比べてエネルギーを6倍〜30倍も狭い範囲に凝縮して送り出せる点
・CWは搬送波のみ
送る側も、受け取る側も音声増幅の必要が無く回路がスッキリして小型化や省電力化が出来る
音声を似せないから帯域が狭くてOKってことですね
開発時の技術的限界からそうなったんでしょうけど削れるところは最初から全部削ったミニマルな仕組みが興味深いです